連絡もなく遅れて出勤した土方を、沖田と山崎が出迎えた。
「おはようございます、副長・・・あれ?」
「・・・おや土方さん、何ですかィそりゃ」
挨拶もそこそこに、土方の腕の中の赤ん坊に注目が集まる。
屯所内をうろうろと散っていた隊士たちも、土方を中心に出来た人垣につられて集まってくる。
「うるせェ、お前ら、俺に構うな。仕事しやがれ」
土方が不機嫌そうに言い、集まった隊士たちを掻き分けて自室である副長室へ向う。
隊士たちは赤ん坊を抱いた土方が異様で、ざわざわとどよめいていた。
沖田と山崎だけは土方の後ろについて歩き、副長室に入った。
「副長、今日のスケジュールのことで打ち合わせしたいんです・・・けど・・・」
山崎が遠慮がちに土方に声をかける。
しかし部屋の座布団に寝かされた銀四郎が気になり、話も上の空だった。
「土方さん、この赤ん坊・・・えーっと、名前何て言いやしたっけ・・・
あーそだそだ、確かネオアームストロングサイクロンジェット・・・」
「どんな名前だそりゃ!銀四郎だ、銀四郎!
総悟お前、会ったことあるだろうが」
「えぇ、あの頃はもっと小さかったのに、
でかくなりやしたねィ。父親に似てふてぶてしいや」
「そぉごォ・・・テメーそこに直れコラ・・・!」
土方と沖田のお約束のかけあいを聞き流しながら、山崎は銀四郎ばかり見ていた。
「いやー、可愛いッスね〜!
俺、結構子供好きなんですよ!」
その言葉に、土方がハっとした。
「そうか、山崎!じゃあテメェにぴったりな仕事があるんだが」
その言葉に山崎がギクリと身体を強張らせた。
余計な事言っちゃったなー、何かまた面倒な事させられるんだろうな・・・
山崎はそう思い、自分の発言を後悔した。
土方は紙袋から粉ミルクと哺乳瓶を取り出した。
「銀四郎にミルクをやってくれねェか」
「ミルク?な、なんで・・・俺が?
副長がやれば・・・っていうか、旦那はどうしたんです、万事屋の旦那は」
「・・・事情があって、俺が銀四郎の面倒を見ることになったんだ。
ただ、家の台所には・・・お湯がないんでな」
「お湯がないなんてそんなバカな・・・あ、いえ、やりますやります!」
土方がギロリと睨みつけると、山崎は慌てて粉ミルクと哺乳瓶を受け取り、ミルクをつくるべく部屋を出ていった。
残された沖田は、にやにやと笑いながら土方を見ていた。
そして銀四郎に向ってこう言った。
「おたくのパパはママに逃げられちまったんだねィ。
情けないパパでしゅねィ、アームストロングちゃん」
「総悟、適当なことを言うんじゃねえ。
つーか銀四郎だからな。
コイツが自分の名前をアームスロトングだと思っちまったらどうしてくれる!」
「うるせェパパでしゅねィ。
死ねばいいのに、お前もそう思うだろ、なァ?」
沖田は銀四郎に向って土方の悪口を吹き込み続けた。
土方は苛々としたが、肉体的にも精神的にも疲れ果てており、沖田を追い出す気力もない。
沖田は銀四郎の身体をくすぐったり、いないいないバアなどと遊んだりしており、
銀四郎も楽し気にキャッキャッと笑い声をあげた。
土方ですら、こんなに嬉しそうな銀四郎を見た事が無かったので、
子供の相手が上手い沖田を意外に思ったり、また悔しく思ったりした。
土方は玩具を与えるくらいしか遊ばせ方をしらなかった。
この頃の赤ん坊は、身近な大人の「顔」を覚え始める時期だ。
人間の顔に興味を持ち始めた赤ん坊は、「いないいないバァ」などとすると喜ぶ。
いないいないバァとは、大人が両手で自分の顔を隠し、赤ん坊の前でその手を開いて顔を見せる遊びだ。
何故見えなくなった「顔」が突然目の前に現れるのか、この仕組みを赤ん坊にはまだまだ理解できない。
しかしそれでも本人にとっては不思議で楽しい遊びのうちのひとつ。
銀四郎も沖田に「いないいないバァ」とされると、他の赤ん坊の例に漏れず目を丸くして驚き、そして楽しげに笑った。
そんな事も知らない土方は、横目で沖田の遊ばせ方をチラチラと盗み見る。
声をあげて笑う我が子は、何よりも愛しいものだと感じていた。
自分と遊ぶ時には引き出せない笑顔に、そして遊ばせ上手な沖田に嫉妬の念を抱いた。
「お待たせしましたー、副長」
暫くすると山崎がミルクの入った哺乳瓶を持って帰ってきた。
それを見た土方が、疲れた顔で頷く。
「ああ悪いな、じゃあやってくれ・・・」
「えっ、俺がですか?」
「俺ァ、ミルクなんざやった事ねーんだよ」
「そんなぁ・・・俺だってないですよ〜」
土方はぐったりとしていて動く気がないようなので、仕方なく山崎が銀四郎を抱き上げた。
すると、銀四郎が突然に泣き出した。
「う、うわっ、泣いちゃった!」
山崎がうろたえながら「よしよし」とあやすも、全く効果がない。
銀四郎は渾身の力をこめて、より一層大声をあげて叫ぶ。
その大音量はかつてないほどだった。
「副長ォォ!助けて下さいよー!!」
山崎が根を上げて銀四郎を土方の腕に押し付ける。
この状況に土方は頭が痛くなるような思いがした。
「ンだよ銀四郎・・・静かにしてくれや」
世の中の母親たちが子供をあやす時に、歌ったり、優しく揺らしたりするなんて小技を、土方は知らない。
不器用な父親は、最初はただひたすら抱きしめて、頭や背中を撫で、最後に溜息をつくことくらいしか出来ないものだ。
土方もそのように銀四郎をじっと抱きしめていた。
そして深く疲れた溜息をつく。
すると、突然にぴたりと泣き止んだ。
ギャアギャアと甲高い騒音に満ちていた部屋の中が、しんと静まり返る。
赤ん坊が泣き止むとき、それは大抵は唐突だ。
それを知らない土方も山崎も、何が起きたのかと驚いた。
銀四郎が何故泣いていたのか理解できず、そして何故泣き止んだのかも理解できない。
銀四郎はさきほどまでの大騒ぎなどすっかり忘れてしまったかのように、土方の腕の中でけろりとしている。
涙と鼻水に濡れた顔で、土方をじっと見上げていた。
「す、すごいですね、副長!
さすが父親だ・・・赤ん坊にも父親は分かるんですね!!」
泣き止んでくれたことにホッと安心した山崎が、土方を父親として誉め称えた。
土方としてもそう言われるのは、悪い気がしない。
腕の中の銀四郎を愛しげに見つめた。
遠巻きにその様子を見ていた沖田が、土方に哺乳瓶を差し出す。
「さ、どうぞ。坊ちゃんはハラペコなんですよねィ」
「お、おう」
いざとなるとどうやってミルクを飲ませたらいいのか分からず、土方は緊張し戸惑っていた。
身体を起こし口元に哺乳瓶を差し出すと、銀四郎が慣れた動きでそれを咥え、吸った。
いつもと違う姿勢なので吸いにくそうだ。
しかし相当にお腹が空いているらしく、息つく暇もないほど必死になって哺乳瓶を吸い続けた。
あっという間に哺乳瓶1本分のミルクを飲み干した。
銀四郎は満足気な表情をして土方の顔を見上げる。
「ほお、すげえな。こんなに小さい体で随分飲むモンだなァ」
「ところで土方さん、赤ん坊ってのはミルクの後ゲップさせないといけねえんじゃないですかィ」
沖田の言葉に、土方は怪訝そうに疑いの眼差しを向ける。
「ゲップだァ?なんだってそんな・・・」
「ミルクと一緒に空気も飲んじゃうから出してあげないといけないって、そういえば聞いたことあるなあ」
「縦に抱いて背中ポンポンしてやると、いいらしいですぜィ」
沖田と山崎にそう言われ、騙されたような気分のまま、銀四郎の背中を軽く叩く。
そのうちに銀四郎が「くぷ」と小さな音を出した。
「・・・今のが、そうか?」
「まあ多分・・・ていうか土方さん、もうチョイ子育てを勉強した方がいいんじゃないですかィ」
「お前は何でそんなに銀四郎に慣れてやがるんだ?
まさか・・・俺の留守中にウチに上がりこんで、銀時と密会してたなんてこたぁ・・・」
「土方さんは妄想癖があっていけねェや。男の嫉妬は見苦しいですぜ」
「あ、あのー、じゃあそろそろ仕事しませんか、副長・・・」
騒がしい大人たちを尻目に、お腹も一杯になった銀四郎は
真選組特注のふかふかした座布団の上で、穏やかにまどろみまじめていた。
銀四郎が眠っている間に、土方にはこなさねばならない仕事が、山のようにあった。
目を通さなくてはいけない書類も山積みであったし、
様々な問題の決済を求めて隊士たちが代わる代わる副長室を訪れた。
普段の副長室は、まるで糸がピンと張りめぐらされたような緊張感に満ちている。
鬼の副長は時間との勝負とばかりに常に忙しく仕事をこなしているし、その部屋を訪れる隊士たちの用件もまた、真剣で重要な案件ばかり。
持ち込まれる様々な案件に土方は即断で決済していく。
話をする時も極めて簡潔に、事実だけを伝えるよう言われている。
ムダ口はご法度だ。また、副長への口ごたえや言い訳も許されない。
例え土方にそれを許されたとしても、気軽に雑談しようなどとは思えない雰囲気があり、用事がなければ極力誰も近づきたがらない物々しい部屋だ。
「真選組副長室」とはこのように、息の詰まるような部屋であった。
しかし今日ばかりは、その部屋の真ん中の座布団の上でスヤスヤと眠る赤ん坊に、誰もが気を取られしまっていた。
いつもなら凍りつくような緊張感があるはずの副長室、しかしそのど真ん中に居座るのは赤ん坊。
その周りにオモチャやら、タオルやら、紙オムツやらのベビー用品がバラバラと置かれており、まるで保育室のようだった。
そんな部屋で攘夷派テロリスト討伐についての案件などを持ち出すことに、隊士たちは拍子抜けして仕方がない。
午後には局長である近藤と様々な打ち合わせをし、作戦を立てたり、また隊長達との会議がある。
夕方から夜にかけて物騒になるので、交替で市中の見回りもしなくてはいけない。
その間に何かしら事件が起これば、その対応に刈り出される。
土方の一日はただでさえも多忙を極めていた。
そこへきて、銀四郎の世話もある。
本来なら山崎あたりに任せてしまいたかった。
しかし銀四郎は山崎に慣れず、抱かれると大泣きした。
他の隊士も同様で、誰が抱いても銀四郎は泣いた。
その原因は銀四郎の「人見知り」だった。
身近な大人の顔を覚えてきている銀四郎は、ちゃんと土方や銀時とそれ以外の人間を見分けるようになっていた。
だから、知らない大人を見ることに緊張する。
しかも真っ黒な隊服を着た強面の男達に囲まれて、恐ろしく震え上がるような思いをさせられているのだ。
屯所にいる間の銀四郎は常に神経を高ぶらせており、すぐに泣き出してしまうし、なかなか寝つかなかった。
こうなってしまっては、もはや銀四郎を誰にも任せられない。
土方はこの事で頭を悩ませていた。
しかし、銀四郎を抱いても泣かれなかった人物が、土方を除き一名だけ存在した。
それは沖田だった。
何故か銀四郎は沖田にだけは泣いたりせず、遊んでもらう事も喜んでいた。
その理由は誰にも分からない。
しかし銀四郎にとっては落ち着く相手なのだろう。
沖田は軽く適当に銀四郎の相手をしながらも、結果的に上手く手懐けていた。
しかし土方のことを嫌っている沖田が、銀四郎を心底可愛がるとは思えない。
わざわざ赤ん坊の相手をする以上、何か裏があってもおかしくはない。
目を離せばどんなイタズラをされるかと心配で、土方は沖田に子供を任せる気にはなれなかった。
子守りの適任者がいない為、仕方なく土方は銀四郎の面倒を、自分でみる覚悟を決めた。
常に側に置いておき、ぐずり出したらあやす。
また、ミルクをやったりオムツを取替えたりした。
会議の場にもやむを得ず連れて行く。
銀四郎が重要な話の時に泣き出して、会議を中断させてしまうこともあった。
土方は銀四郎をあやしながら、頭を抱えた。
近藤は銀四郎を可愛がっており、率先して遊びたがった。
しかし当の銀四郎が近藤を恐がって泣いてしまい、遊ぶところではなかった。
散々泣かれても近藤はめげずに、銀四郎の機嫌をとろうとしていた。
強面の男所帯も、赤ん坊の影響で雰囲気がすっかり柔らかくなっていた。
銀四郎は屯所のアイドルだ。
しかしその銀四郎を抱いているのが、「鬼の副長」であるという事が面白おかしく、散々噂にされた。
そんな生活はその日だけで終わらず、2日、3日・・・と過ぎていく。
銀四郎との生活も慣れて息が合ってきた。
赤ん坊の世話は大変だが、それなりに出来ている。
相変わらず銀時は帰ってこない。それどころか、連絡のひとつもない。
(あの野郎、どういうつもりだ!?)
土方だって銀時の事が気にならないわけではない。
いつまでも銀時が姿を見せない事に、思わず苛々としていた。
自分や銀四郎の事も、忘れてしまったのではないだろうか。
本当にこのまま、別れてしまう気ではないだろうか。
銀時がいかに気分屋でマイペースであるか、土方はよく知っていた。
まさか、とは思いつつも土方の胸に不安がよぎる。
知らず知らずのうちに銀時のことばかり考えてしまう。
ぽっかりと胸に穴の開いたような寂しさがあった。
(今までなら、別に会うことがなくても、何てこたなかったのに・・・)
いつの間にか、毎日顔をあわせて当然だと思っていた自分に、違和感を覚えていた。
結婚して同居しているのだから当たり前のことではある。
しかし、銀時という存在がすっかり自分の片割れのように感じていることに、何故か悔しい気がした。
まるで自分の心を持っていかれてしまったようで、納得がいかない。
日常の何気ない瞬間に、居ないはずの銀時の影を、無意識に探してしまう。
今日も土方は銀四郎を抱いて仕事をしていた。
机に向かい、目の前の書類に署名して捺印する。
片手で銀四郎を抱き、片手で器用に文字を書いた。
銀四郎は小さな手を伸ばしてその書類を触ろうとし、土方に身体ごと書類から離されて、きょとんとしている。
もう少しで掴めそうだった紙が遠く離れてしまったことを、不思議に思ったようだ。
銀四郎は今日まで、何枚もの重要書類を使えないただの紙クズにしてきた。
手が届いたものは例外なく掴み、ひっぱって握り、丸めて千切り、最後には何でも口に入れる。
土方が一瞬目を離したスキに、こうして仕事で使う書類や文書が、銀四郎の被害に遭っていた。
そのたびに頭を抱えるのは当然、土方だ。
側に寝かせていても、いつの間にか起きていて、大事な書類を掴んで遊んでいたりする。
だからこそもう目を離すまいとして、常に抱いていることにしたのだ。
抱きっぱなしでは仕事の効率も悪く、肩も凝る。
それでも、起きている間に床に寝かせると、ぐずるようになった。
何故ならそれは、こうして土方が抱き続けていた所為で、すっかり「抱き癖」がついてしまったからだった。
抱かれていないと落ち着かず、床に寝かされると機嫌を損ねてぐずり、それでも放っておかれるとついには泣き出す。
泣くと抱き上げてもらえると学習した赤ん坊は、次に床に寝かされると、すぐに泣き出すようになる。
こうして着実に抱き癖がついていくのだ。
理由もなく機嫌を損ねているだけなので、泣き止むまで放っておいてもいいはずだった。
しかし赤ん坊の声は甲高く相当な音量だ。
少しの間は無視できても、騒々しい泣き声を延々と聞き続けることは不可能に近い。
苛々として、神経がおかしくなりそうだった。
何よりも、我が子が泣くことはかわいそうで、無視など出来るわけもなかった。
土方は仕方なく、泣かれる前に抱くことにした。
「抱き癖」というものの存在も、その仕組みも土方は知らない。
寝かせると泣くので仕方がなく抱いている、それだけだ。
それが悪循環になっていることには、全く気付いていない。
「赤ん坊と遊んで仕事サボっちゃいけませんぜィ、土方コノヤロー」
そこへ赤いアイマスクを額につけた沖田が、気軽に副長室の襖を開けふらりと入ってくる。
誰もが敬遠する副長室だが、そんな緊張感を微塵も感じずに好んで訪れるのは、近藤と沖田くらいなものだった。
「お、総悟、丁度いい。
銀四郎の相手してやってくれねェか。こいつ、重くて仕方ねェ」
「お安い御用ですぜィ。さぁ、おいで銀四郎。
一緒にパパを抹殺するための、でっかい妖魔を呼び出そうぜ」
「・・・やっぱ、テメーには頼まねェよ」
銀四郎を渡そうとした土方は、そのまま自らの腕の中に戻した。
「ところで、旦那とは連絡とってますかィ?」
不意に銀時の話題を持ち出されて、土方の額に怒りの血管がめきめきと浮かぶ。
銀時の事など、思い出すだけで腹が立った。
「あん?さァな・・・あんな野郎、知るかよ」
「実は、さっき外で旦那を見かけたんでねィ」
その言葉に、土方は一瞬目が覚めたような感覚を味わう。
(まさかアイツ、俺や銀四郎の事を心配して見に来たのか・・・?
そうか、やっぱりあいつも、寂しい思いしてんだな・・・)
そう思い、ほのかに土方の胸が温かくなった。
無意識に封印していた自らの寂しさと、銀時への愛情のような気持ちを思い出す。
そして久しぶりに胸を高鳴らせた自分に気付き、それを恥じた。
「そ、それで、アイツは何か言ってたのか?」
照れてしまいそうな気持ちを、眉間にしわを寄せ険しい表情で強引に覆い隠す。
沖田はそれをにやにやと含み笑いをしながら見ていた。
「別に何も。見かけたって言っても、パチンコ屋でしたからねィ」
「パチンコだぁ!?」
土方ががっくりと肩を落とす。
「んだよ・・・ガキの様子気にしてんじゃねェのか!?
呑気に遊び暮らしてやがるのか、ふざけやがって!」
わなわなと拳を握って怒る。
その腕の中で銀四郎はきょとんとしていた。
「明日も昼ごろにパチンコしに来るとか、言ってましたけどね」
「総悟、てめェ何が言いたい?」
「・・・さァ」
沖田は土方の反応を楽しむように、にやにやと笑っていた。
(わざわざ居場所を伝えるような真似しやがって・・・
銀時からの伝言なのか、総悟が勝手に言ってるだけか・・・まぁいい。
どういうつもりか知らねえが、会ってやろうじゃねェか)
土方は窓の外に見える青い空を、眩しげに睨んだ。