中2から中3に上がったが、クラス替えはない。
環境は同じだ。
ただ、教室が変わっただけだ。
俺が熱心に取り組んでいた部活動も委員会活動も、だいたい1学期で引退することになる。
そして塾では模擬試験が本格的に多くなる。
志望高校を決めていかなくてはならないのだが、俺はどこでも構わなかった。
ただし、銀時と同じ高校なら、どこでも構わないという意味だ。
まだ銀時と一緒にいたい。そのためには、同じ学校へ進学する必要があると思った。
銀時はあまり勉強していないので、テストの成績は散々なものだ。
本人は成績など全く気にしていない。
今のままで同じ高校を志望するとなると、銀時の成績に合わせる事になる。あまりいい学校は望めないだろう。
そうなると、3年間も塾に通わせていた俺の親からクレームがきそうだ。
俺にとっては親の意見より、銀時と同じ高校に通うほうが大事なのだが、親の意見も無視はできない。
仕方がないので、俺との学力差を多少なりとも埋めるため、俺が銀時の勉強を見てやることにした。
銀時は勉強を面倒くさがったが、俺が「同じ高校に行こう」と説得すると「受かるかわかんないけどね」と、意外にもあっさり了承した。
「同じ高校に行こう」
・・・この誘いは俺にとって銀時に告白したも同然というくらいに積極的にアピールした・・・つもりだった。
いくら幼なじみとは言え、将来に共通の目標があるわけでもなく、学力に差もある。特に家から近い学校もない。
こんな状態で同じ高校へ進学するメリットなど、ないからだ。
絶対に「何故」と不審がられるだろう。
それでも俺は、一緒にいたい、手離したくない一心で、思い切って同じ高校へと誘ったのだ。
変に意識してしまって顔から火が出るかと思うくらいに、恥かしかった。
・・・しかし銀時は、俺の意図になど全く気づかないようだ。
あいつにしてみたら、志望校など選ぶのすら面倒といったところだろう。
俺が勝手に決めて世話してくれるんなら手軽でいいし、落ちたらそれまで、という程度にしか考えていないようだ。
俺にとっても、それで充分だ。
銀時が俺の手の中にいてくれるのなら、どういう思惑があったって構わない。
絶対に同じ学校へ進学してやる。銀時の将来まで面倒みてやる。
やたらと気合が入ってしまう。まだガキだった。
夏休みから一緒に勉強を開始し、受験を視野にいれた模擬試験を受けたり、復習を中心にドリルをこなしたりした。
銀時は集中力があるとは言えない方で、すぐにダレ始めた。
しかし俺が黙々と机に向かっていると、負けず嫌いな性格が出るらしい。渋々だが自主的に勉強を再開した。
そんなこんなで、結局かなりの勉強量をこなしたと思う。
銀時も「勉強慣れ」してくれた。
机に向かう時間も長くなってきたし、解けない問題に当たっても逃げずに考えるようになった。
元々それほど頭は悪くない。やる気にさえなってくれれば、受験勉強は順調に進んだ。
努力の甲斐があって2学期の成績は上々。
同じ高校を受けることができそうで、俺は安心した。
一緒に勉強することを口実に、放課後を共に過ごすことが多かった。
教室だったり、図書室だったり、また銀時の家だったりと様々な場所で、二人きりの時間を過ごした。
勉強の合間合間だが、銀時といろいろな話をするのが楽しみだった。
銀時との共通の話題、共通の時間が持てることがこんなに嬉しいなんて・・・思わなかったな。
2学期も終わり、いよいよ冬休みに入る。
クリスマスや大晦日、年始行事、いろいろとイベントが続くこの時期。世間は忙しくも浮かれている。
しかし受験生の冬休みは休みなんかではない。
まさに追い込みの時期だ。受験勉強以外にやるべき事など、ない。
俺は日中に塾の特別講習に参加し、夜は銀時の家に行って講習での授業内容や志望校の過去問題、試験のヤマなどを銀時に教え込む。
「トシ、お前勉強好きだなー・・・一日中だろ?」
俺の日常生活に、銀時は呆れたような感想を述べる。
そんな銀時は、夕方頃に俺が姿を見せるまで、マンションで大人しく待っていてくれる。
外は木枯らしが吹いて、肌が痛いほどに寒い。寒波がくる時もあるほど、今年の冬は冷える。
俺はこの寒波に晒されながら、塾と銀時のマンションと自宅を移動する毎日を送った。
身体がガチガチに冷えるし、気を抜くと疲労感から風邪でもひきそうだ。
しかし銀時のマンションを訪れると、暖かい部屋でふかふかの室内着を纏った銀時が「よぉ」と笑顔で迎えてくれる。
銀時が俺のことを待っていると思うだけで、独占欲を刺激されちまう。
この一瞬で温かさに溶けてしまいそうだ。
銀時の柔らかい笑顔を見ると、ほっと安心した。
「別に勉強が好きなわけじゃねえけど・・・やれる事はやっとかないと、気が済まねえ性格なだけだ」
それも嘘ではない。
しかし銀時と同じ高校へ進学したい・・・というのが主な理由だが、それは言えない。
俺は鞄をテーブルに置き、コートとマフラーを脱いだ。
ココアの甘い香りがする。銀時が作ってくれているようだ。
銀時のいる部屋は、やはり暖かい。
進学先については、銀時が別の高校を志望するのなら俺もついていく気でいた。
しかし、そのような事はなかった。
俺の提案した志望校を狙って、銀時は意外にもよく勉強してくれている。
・・・銀時も俺と一緒にいたいと思ってくれてんのか?
こいつが何かを頑張ってくれるのは、すごく嬉しかった。
俺に出来る事があるなら、協力は惜しまないつもりだ。
受験勉強は煩わしいが、銀時と一緒にいられる。
時々するケンカすらも楽しいのだから、俺にとってはいいことづくしの時間かもしれない。
本当に、勉強さえなければ最高だ。
今はこの勉強という口実がなければ、一緒にいることすらままならない事が、悔しい。
いつか、そんな口実なしにでも一緒にいることができたら・・・それこそ最高だろう。
何の理由も必要なく、自然に銀時の隣にいられたら・・・そこが俺の場所だと決まっていたら。
そんな日がきてほしいと願いつつも、どういうプロセスを経たらその状況に漕ぎつけられるのか・・・思い描くことすらできない。
イメージできなことは実現しないもんだ。
しょせん高望み、非現実的な願いなのだろうか。
12月は師走というだけあり、どの業界も忙しい。
忘年会などで特にかぶき町は大忙し、客の掻き入れ時だ。
下手をしたら昼間から店を開け、閉店は夜中もしくは朝になってもおかしくない。
そのような時期なのでスナックを経営しているお登勢は、ここのところ毎日朝帰りだ。
一方その分、銀時の夜はひとりぼっち。
俺は受験勉強という口実で銀時のマンションに出入りしているのだが、夜が遅くなっても泊まることはない。
何しろ家が近いので何時だって問題なく帰れるからだ。
それより大きな理由も、ある。
一晩一緒にいたら・・・間違いを起こしてしまいそうな不安もある。
俺に限ってそんなことはと思いつつ、泊まるのだけはやめておくことにした。
それでも出来るだけ長い時間を共にしたいので、勉強に集中するふりをして遅い時間までリビングに居座った。
リビングのダイニングテーブルに二人で向かい合って、テキストやノートを広げている。
晩メシは出来合いの弁当、夜食にコンビニの菓子をつまむ。
俺はマヨネーズ味のスナック菓子ばかりだが、銀時はチョコレートやプリンばかり。
昔から好みが違うので、互いの菓子を取り合うようなことはない。
その代わり、お互いの好みをけなしあうのが定番だ。
今夜も食事の後だというのに、銀時は小さなシューにチョコの入った菓子を食べている。
ぽいぽいと止まらず口に放り込むので、一袋あっという間になくなりそうだ。
あまりにもいいリズムで、ついつい銀時の手の動きを目で追ってしまう。
「銀時・・・よく食うなあ・・・弁当食ったばっかりじゃねーか」
「いいんだよ、最近すげー真面目に活動してるから腹が減るんだよ」
そう言う銀時の手はまだ止まらない。
どうやらこのまま一袋空けてしまう気のようだ。
俺はつい、呆れてしまう。
「なんだその真面目に活動って・・・あれ、そういえばお前最近、あんまり遊び歩いたりしてないよな」
「そーだよ、それそれ、そのこと!ウチにこもって勉強ばっかりだぜ、夜だってさっぱり外出してねーもん」
視線は問題を解いているノートを見つめたまま、片手は絶えず菓子を口へと運ぶ。
あまり面白くなさそうに、唇をとがらせている。
「なんだその、夜の外出って?」
「今までは夜が暇だから、かぶき町のババァの店に行って手伝ったり・・・時には他の店を手伝ったりしてたの・・・小遣いもらえるし」
ぼそぼそと答えながらも、問題が解けないらしく眉をひそめ首をかしげている。
自分の発言の重大さには気づいていないようだ。
いや、あえて何でもないように・・・とぼけているのかもしれない。
「おい待て、銀時テメ・・・夜にかぶき町ってどういう事だ!ガキのくせにあんな街に出入りしてんじゃねーよ、危ねーだろ!」
「あんな街って・・・トシがどんな街だと思ってるのか知らねーけど、別に危なくないし、むしろ刺激的で楽しいぜ」
銀時は手元を見据えたまま、俺の方は向かずに答える。
「危なくなくても中学生が行っていい場所じゃねえぞ。
まあババァの店の手伝い・・・てのは分からなくもねーけど、ババァ以外の店で手伝って小遣いってソレお前・・・
・・・普通にバイトしてんじゃねーか!」
「働いてるわけじゃなくて手伝っただけ。給料じゃなくて小遣いだから、違法じゃない」
「ていうか、補導されるぞ!?」
「大丈夫、上手く誤魔化せたから」
「誤魔化せた・・・ってテメー、既に補導されてんじゃねーかコラァァ!!」
「補導なんかされてまーせーんー!何とか逃げ切ったからセーフなんですーうー」
本気で怒る俺に対して銀時はひるみもせず、ふざけていて反省の色もない。
ガキのくせに夜中に繁華街をフラフラしているなんて、危ないに決まってんじゃねーか。
自分から事件を呼んでるようなもんだろうが!
身体も危険だし、補導なんかされて学校に知れたら受験にだって影響が出るだろう。
いいことなんかない。
そこまでおおごとではなくとも、銀時の慢性的な寝不足だって夜の・・・そのバイトのせいじゃねえか。
授業は遅れるわ、体調を崩すわ・・・何を考えてんだ銀時は!
何かあってからじゃ遅いんだ!
銀時を心配するあまり、俺の怒りが治まらない。
「まあ怒るなって。だから、今は真面目にしてるだろ。女もいないんだぜ?」
「ったく・・・あー・・・そーいやお前、スケベだから女いねーと困るんだろ、どうした」
軽く冷やかしたつもりだったが、それはつまり自分に脈がないっていうことを意味している。
つい自嘲気味に笑ってしまう。
「俺の場合、スケベと違ってただの寂しがり屋サンなんだけどね・・・なんつって、はは」
銀時も、俺と同様に自嘲気味のような引きつり笑いをする。
どういう気持ちでそんな不自然な笑い方をしたのか、俺には分からない。
けれども、銀時自身の中で、何かひっかかりのある発言だったのだろう。
お互いの間に、重い空気が一瞬漂う。
この話にこれ以上踏み込んでいいものか、銀時は嫌がっていないかと気になった。
しかしこんなチャンスはなさそうなのでもっと銀時の心を開かせてみようと思った。
あまりプライベートを話したがらない銀時だからこそ、俺にぐらい素直になってもいいんじゃないか。
俺にそんな資格がないのかとかなり昔、悩んだ事もあったな。
今の俺は、銀時にとってどういう位置づけだろう。
心を開いてくれるのだろうか。
「寂しがり屋って・・・どういう意味だ」
大した質問でもないのに、少しの沈黙の後だったので、重苦しい言い方になってしまう。
「え、なに、そんなに深い意味とかねーんだけど・・・どうしたのトシ?」
「お前みたいな奴が寂しいとか言うと、ほらアレだ、なんつーか、その、心配になるだろ」
言葉を選びながら伝えたつもりが、結局のところストレートど真ん中だ。
思い切り心配してんのバレバレじゃねえか。
「トシは心配性だもんな。ハゲるぞ」
銀時が可笑しそうに笑った。
受験ということで、それなりにピリピリしていたので笑顔は久しぶりのような気がする。
俺が心配してるのがそんなに可笑しいのだろうか。
「何を笑っていやがる。心配させてんのはテメーだろうが、銀時」
「ああそっか。はは、悪ィ・・・心配してくれてんのが・・・嬉しくてさ」
銀時がクスクスと笑いながら、俺から目を逸らして視線を手元で彷徨わせる。
最後にひとつのこった菓子を見つけて口に運んだ。
下を向いたまま、いつまでもにやにやと口元をほころばせている。
ちょっと奇妙だ。
よほど面白かったのか・・・嬉しかったのか、もしかして照れているとか、ってわけはねえか・・・?
とにかく俺には、銀時がいつまでも微笑んでいる理由が分からない。
まあ銀時が喜んでいるのなら、いいか。
「寂しいから女と付き合ってた・・・それなら、お前の愛の無い態度の理由が分かるな」
自分の寂しさを埋めるだけだっていうなら、「可愛い女子なら誰でもいい」と言い放っていたのも納得がいく。
本当に誰でも良かったんだな。相手が好きなワケじゃねえんだ。
「愛が無いって酷くね?恋愛経験もないくせに、分かったよーな事言いやがって」
銀時の笑顔が一転、今度は機嫌を損ねてじろりと俺を睨む。
ただ、俺の解釈を否定はしなかった。
「恋愛経験がないとか決めつけんじゃねえ。お前こそ分かったよーな事言うな」
「それって・・・トシ、もしかして好きな人がいる、とか・・・?」
今度は目を丸くして驚いている。そんなに意外なことだろうか。
つい俺も本音が出てしまったが、まさか「お前が好きだ」とも言えない。
「いねえよ、んなもん」
静かに首を振って、誤魔化した。
「なんだそっか。お前けっこうモテてんだぜ、知らないだろうけど」
銀時がまた笑う。
笑ったり怒ったり驚いたり、ころころと表情が変わるのだが、笑っても怒ってもあまり印象に変化がない。
変わるのは口元の表情だけで、目元は変わらない。
実は本当に心から面白がったり憤ったりは、してないんだろうな。
「俺がモテるって何だ」
「やっぱ知らねーな?たまに『土方君を紹介して』って言われるぜ・・・お前って話しかけにくいんだよ。悔しいから紹介してやんねーけどね!」
得意気に、またイタズラでもしてやったかのように舌を出す。
俺をからかっているんだろう。
挑発しているのか挑戦的な瞳、そして楽しそうな笑顔が眩しい。
その仕草に一瞬、鼓動が早くなる。
鼓動はどんどんと早く大きくなっていく。
身体が熱くなってきた。
なんだかヤバい・・・落ち着け・・・。
「おいトシ、何ニヤケてんだよ、お前に女なんか紹介してやんねーってば」
「いらねーよ、どうせお前のお下がりなんだろう」
「さーどうかな・・・ま、俺はしばらく女は・・・いらないし」
「どういう意味だ?」
俺をからかって楽しそうに笑っていた銀時の表情が、少しだけ素に戻る。
笑顔は明るいだけに、余計に表情が翳って見えた。
「受験が終わるまでは・・・勉強第一だからな」
銀時が薄く微笑む。
口元だけで小さく笑う様子が、何か別のことを言いたそうだ。
「そりゃそうだけど・・・?」
俺も頷く。
それなら、何故そんな切なげな顔をするのだろう。
銀時の真意が分からず、自然と銀時の表情を観察してしまう。
「それと・・・もうひとつ・・・受験が終わるまでは・・・トシ、お前が一緒にいてくれるからさ」
銀時は呟くような小さな声でそう言って、また俺から目をそらす。
先ほどと同じように、うつむいて視線を彷徨わせている。
手持ち無沙汰のようで、仕方なく空になった菓子の袋をじっと見据えていた。
「お前がこうして一緒にいてくれるから・・・女なんか必要ねーんだ」
銀時がもう一度、そう繰返して呟く。
変に目を逸らしやがるので、何か深い意味を感じてしまう。
「銀時、それはどういう意味だ・・・悪いがさっぱり分からねえ」
俺が銀時の・・・彼女の代わりになってんのか?
「ただの寂しがり屋サンだって言っただろ。お前が相手してくれるから寂しくねーの!今は、夜だってよく眠れてるし・・・」
「・・・夜、眠れないのか?」
うつむいていた銀時が、急に顔を上げた。
今度はヘラヘラとおどけるような、力の抜けた話し方をする。
俺が銀時の話をいちいち深刻に拾うのに、気づいたのかもしれない。
わざとおどけて、軽い笑い話に軌道修正でもしようとしている雰囲気だ。
「たまに眠れない事があるだろ。え、ない?あるんだけどな、俺。・・・まあそういう時って、やけに誰かの声聞きたくなるもんじゃね。
夜中に電話なんて友達じゃ切られちまうけど、彼女なら結構怒らないもんだと思うんだよね〜」
「なるほどな・・・絶えず女を作ってたのはそういう事か。誰でもいいから話がしたい時のため」
「・・・それだけじゃないけど・・・まあ俺ん中ではそういう位置づけかもね」
銀時が悪気の無さそうな無邪気な顔で微笑むので、俺は力が抜けてしまった。
呆れた、とも言える。
「眠れない奴にはいいアドバイスがある。運動しやがれ。身体がクタクタになれば、絶対眠れるんだよ」
「お前みたいに部活に打ち込むタイプじゃないんだよね、俺・・・。
あ、まあ運動ならしてるケド・・・ああ確かに、アノ後はよく眠れるかも・・・なるほどね、ウンウン」
銀時がブツブツと何か言っているが、本気なのか冗談なのか分からないような事なので聞き流した。
俺にとっては、銀時がいまだに人恋しがっているのがショックだった。
もうすっかり大人びている銀時なのに、1人で過ごす夜を賑やかにやり過ごそうとしているのだろうか。
・・・友達や彼女に電話をしたり、繁華街まで出たりしてまで。
夜中に眠れない時、誰かの声を聞きたいって?
・・・誰でもいいっていうなら、俺に電話してくればいいだろう。
いくらでも話相手になってやるし、家が近いのだから会いにだって来られる。
ガキの頃一緒に昼寝をした時のように、また手を繋いでやるのに。
俺が手を繋いでやると、銀時はすぐに寝付いていたよな。
幼い頃から・・・今でも同じだろう?
あの温かい手を俺は忘れない。
・・・俺がずっと側にいてやるのに。
そう銀時に告げたら、一体どんな顔をするだろう。
素直に頷いてくれるだろうか。
・・・いや、まさか。
きっと苦笑いして、気持ち悪がるんだろうな。
嫌われちまうかも。
--------言わなくて、よかった。
よかったんだよな?